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装甲騎兵ボトムズ ペールゼンファイルズ(全) 感想
映画化おめでとう。総集編なら特に見に行かない。

 やっと全部見終わったので、まとめて個人的感想を書く。
 ネタばれバリバリで行きますので、ご注意。



【ペールゼンファイルズ】
 時間軸は、OVA野望のルーツと、TVシリーズの間。
 危機的な状況下でも、遺伝子的に死に難い個体「異能生存体」の研究者ペールゼンの身柄と、そのファイルを手に入れたメルキア情報相次官のフェドク・ウォッカムは、物語の主人公キリコを含む数名の「異能生存体」と思しき兵士を集め、過酷な環境下での生存実験を繰り返す。
 数度に及ぶ絶望的な状況からの生還を果たした彼らの能力を見て、ウォッカムは終戦後の政治的な駆け引きも含め、毎秒45憶の軍事予算を消費する大規模戦闘、敵拠点モナドの攻略を開始する。
 しかしそれは、ペールゼンの掌の上でのことであった。

 みたいな話だった気がする。

 ストーリー的には、大変大がかりなのだが、実際TVシリーズ開始時には考えていなかったであろう後付け設定大会なので、話の整合性はあまり考えてはいけない事になっている。
 OVAは他にも複数あるのだが、ペールゼンファイルズの予備知識として必要なのはTVシリーズとOVA野望のルーツぐらい。


【ペールゼンファイルズのドラマ】
 キリコとキリコ同様に異能生存体と思われる兵士を集めて、無茶な戦場に送りこみ、生死を確認するというのが1話から9話のパターン。って同じような話を9話も作るなー!飽きるわー!

 とりあえず、この「異能生存体チーム危機一髪編(勝手に命名)」が長く、その間で、それぞれのキャラ説明をするのだが、話もキャラもイマイチステレオタイプなため、面白いかというと、かなり微妙だった。

 そして、その異能生存体チームを、大がかりな戦場モナドへ送り込むのが10話から12話。ここで、これまでの謎溶きをするのだが、これといって大きい謎は無かった。(ペールゼンの扱いぐらいだけど、OVA「ザ・ラストレッドショルダー」で顕在を示してるので、見てる方には結構バレてて特に盛りあがらない)
 とはいえ、話を1本作るには十分なギミックだと思うので、OVA12話分でなく、2時間1本とかだったらもう少し纏まりが良かったんじゃないかと思う。
 特にモナドの無駄に大げさな感じは銀河を股にかけた戦争をしているバカっぽさがいい感じに出ている。
 あとは、銀河万丈のナレーションが良すぎるので、それで随分映像作品としての間が持っている。


【ペールゼンファイルズの戦闘演出】
 ボトムズ初、メカが3DCGで描かれている。爆発や発砲などのエフェクトは手書き。背景は一部CGだがほぼ手書きとなっている。
 全体的に、リアルに見せよう、という感じではないので、悪くは無いんだけど「CGになって良かったなー!」という部分はあんまりない。

 んで、どんな装飾をしたところで、ロボットアニメはロボットがドンパチやってるところがキモなので、それはどうかというと、これがもっとも不満が大きい。

 ATは身長4mの人型ロボットで、マッスルシリンダーという化学反応で伸縮する人工筋肉をおさめた金属筒を動力として稼働する、空を飛んだりといった無茶をしない、比較的リアリティのあるデザイン。
 そら、プラモ買って汚し塗装したくなるというもの。

 しかし演出がついていけてない。4mの巨大さを感じさせる演出が少ない。重さを感じさせる演出が無い。

 4Mのロボが全力でコケたら、胸部に登場している操縦者は死んでしまうか、行動不能の負傷を負うと思うが、本作品ではへっちゃら。

 そりゃコケたぐらいで操縦者が死んだら、ロボットアニメなんか作れないかも知れない。

 でも、100m級の飛び降り着地などは、いくらなんでもやり過ぎだと思う。降着機構も作動させずに床もヘコまずキズなし。

 「巨大なものが動いたら、回りにこういう影響が出る」という演出がほとんどないのは大問題じゃないか。(だってそういうところの表現がウリでしょ。ロボットアニメって。怪獣映画だったら、かならず足音と共に揺れる周囲をカメラに収めているべきカットだ。)

 そんな感じで、前編に渡ってAT(ロボット)のリアルな描写が少ない。こういうのは描写を積み重ねていくから、気持ちよく騙されるのであって、ロボ好きだしーって気分だけでは埋め合わせがつかない。

 そして戦闘自体も微妙。
 銃撃戦をちゃんと描いたアニメって今の所知らないので、ペールゼンファイルズだけの問題じゃないけど、かなりイマイチ。
 銃でアニメと言えば押井守だけど、押井も銃撃描写は酷いものなので、この辺はもう限界なのかもしれない。
 高橋良輔も、ダグラムからこっち、まともな銃撃戦は描写してないし、ボトムズも全シリーズ通して銃撃戦はロクなもんじゃないから。

 演出家が、FPSゲームかサバゲーやってみればいいんだけどね。

 お互いが全身が見える距離で、遮蔽物無しで撃ち合うというのは明らかに絵としても熱量が足りず燃えない。
 そんな状態で、一方的にやられるバララント軍は射撃が下手糞過ぎるんじゃないか。 
 銃をバリバリ撃ちながら、敵に向かって走っていくのがどんだけ無謀かは、適当にバトルフィールド2とか、メタルオブオナーとかやってみればわかるが、瞬殺されるレベルの行動だ。

 この辺、阿呆なアメリカ銃撃戦映画でも、最近は手堅くなってきていてそんなに酷くない。古くはロボコップとかでも比較的しっかりしてる。


 そんなわけで、期待せずにはいられないリアルロボット系の雄であるボトムズだけに、期待に応えてくれないのが(というか期待しすぎ)もどかしい。
 第一話の渡河作戦は、それなりに新しいギミックが導入されていて(強襲揚陸のシチュエーション)一応見どころが多かっただけに、それ以降、イマイチな戦闘描画が続いたのが残念。

 これだけ、グダグダ言いながらついてくるファン(俺か)が居るというのは、それだけボトムズという作品に牽引力があるということなので、是非もっともっと上を目指したボトムズを見せてほしい。


 でも、なんだかんだいって、ペールゼンファイルズはオススメできる気がする。
 映画版で、2時間程度にまとまれば(不死身チーム危機一髪話の繰り返しがなくなれば)それなりにいい密度で、面白い話になるんじゃないか。
 カクヤクたる異端が自分にとってかなり残念な感じだったのでその反動もあると思うけど。

 ボトムズには、いい嘘をついてもらいたいもんだなーと思う。

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