島国大和のド畜生
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もっとまじめに嘘をつけ:マンガ感想
 最近のマンガで、自分がぜんぜん面白くないなーと思うパターンは、まじめに嘘をついてない、言い換えると「騙すことに真剣になってない」マンガの場合が多い。

 悪い例なので、もにょった書き方をするが、たとえば、とあるヤンキーコメディでは、主役級の人たちは絶対負けないレベルに強いが、何故強いかがまるで語られない。出てくる敵もステロタイプ。こんな、ヤンキーや学園生活の記号だけまぶしてそんなもんが面白いんカー!とか思うんだけど、人気あるみたいです。私が世間からずれてる。

 ある妖怪マンガでは、なんか適当に妖怪出して適当に話が進んでる。そんなもんが面白いんカー!とか思うんだけど、これも人気。

 ある、異能力バトル漫画では、なんかもー適当に必殺技を交互にだしてるだけ。意味わかんない。どっちが勝っても興味ないよ!でも大人気。

 どうにも私が世間からずれ過ぎなんだけど。

 例えば、例えばなんだけども。

 バキとか、本当にグダグダで。原始人が出てきて、恐竜を倒して食ってたから強いと言う、身も蓋もない馬鹿話。それをせめて物語り内では起こりうる事実のように描くわけで。
 それが塩水つけて暖めてちゃぷちゃぷ揺らしてたら死体から原始人が復活しましたよ、って内容だったとしても。
 信じさせるために細かく薄皮のように事実と虚実を織り交ぜて書いているわけですよ。
 こんな馬鹿なの恥ずかしくって普通は描けないですよ。だがそれをやる。

 妖怪漫画でいえば、ゲゲゲの鬼太郎は、あんな時代に文献を漁ってリアルな妖怪を出しているわけで。妖怪の見た目もアフリカ系の民族お面とかから引用してるので、作家の脳内からだけ出てきたわけじゃない迫力がある。背景の描き込みや点描も、妖怪が居る空間を演出する為に、必要と判断されたから描き込まれている。
 単にリアルな背景を描くんじゃなくて「いかにも」な世界を表現するために選ばれているわけで。

 異能力バトル漫画だって、例えばJOJOは、もうありえないぐらいわけのわからない異能力バトルだけど、勝った負けたにちゃんと理由がある。後から新技だしたり、勢いだけで勝ったりは可能な限り避けている。その上で、だいたいにおいて、あれ実は信念のバトルで、思想性が強い。己の考える勇気とは、邪悪とは、正義とは、生きるとは、そういう部分で戦って作者ならではの回答を出す。
 なかなかそんな観念的な事の思想性を人に明かすのって恥ずかしいよ。でもきっちりエンターテイメントに仕上げる。
 そういう真摯な態度が、物語中の嘘に目を瞑れる土台になる。


 というわけで。
「どうせ嘘をつくなら

もっと真剣に嘘をついて欲しい」

のだ。

 アカギの言葉を借りると「ブラフ(嘘)は身を削り魂を削って打つから、騙される」わけで。
 作者の頭の中だけでこねくり回された嘘じゃよっぽどの事がないと騙されない。
 岸部露伴が蜘蛛の味を知って獲得するリアリティは、読者を見事に引き付け「この嘘ならノレる」とさせるものなのだと思う。

 もーね。歳食ったから、上手い嘘に騙されたい願望は強いんだけど、あんまり上手い嘘って転がってないのよね。


 とわがままを書いてみた。
 物語作成者希望の人には為になるかもしれない。

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マンガはそういうの多くなったよなあと思う、お笑いも例えば友近とかも、頭の中の妄想で100%作りましたというのと、現実をしっかり取材した上で膨らませているものでは、出来が全然違うもんなあ。友近の新ネタ「クミ先生」はそういう意味で、久しぶりに友近の凄みを感じまし
2008/01/19(土) 11:58:33 | 昨日の風はどんなのだっけ?
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