島国大和のド畜生
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ゲーム:企画屋の意見の通し方
ユーザーをないがしろにするという事大電樂さん経由)
 中々興味深い。
 一応自分もゲームの企画屋だから、気分は大変解るので。

自分も「自分がユーザーでこうだったら嬉しいよな」という事やアンケートの要望を下敷きに提案するのだけど、悉く却下。

社長曰く「それはマニアの意見だから」却下なのだそうだ。(このゲームはある程度マニアックな知識がないとできないゲームなのだ)

マニアの為のゲームなのにマニアの意見を聞かずに何をするというのだ(;´Д`)

 これは、物凄く正論に見えるけど実は違う。
 マニアが買っているゲームにさらにマニア受けする内容をつっこんでも、新しいお客は捕まらない。つまりそのコストは無駄骨という事になる。
 この場合、上の人を説得するには「これをやれば売上が伸びますよ」とか「出る成果のワリには、コスト安いですよ」もしくは「これをやらないとお客さん逃げちゃいますよ」という費用対効果の話が必要。

 ゲームは客商売だから、お客さんが喜ぶことをすべきなんだけど、一部のお客さんだけを重視しても、それは費用対効果で合わない。顧客満足度が上がっても倍のお金払ってくれるわけじゃないんだから。多くのお客さんに喜んで貰わなければ駄目。

あの当時、自分が何回も主張した「戦闘シーンをフルアニメにしたらどうか」という意見もメインのプログラマーが「PS1では技術的に、機械的に無理、ロードに5分かかる」と頑なに拒否されてきたのですが、「機を敏に見るプロデューサーが作った新シリーズ」ではPS1で何の躊躇もなくロードも5秒くらいでフルアニメしていて、泣いた。

 これもまた解る話なんだけれども、この場合せめて以下の2手ぐらいは打ってみなくちゃいけない。

1・今居るメンツで望むものを作る手段を探る。
 プログラマにフルアニメを作れる技量があるがノリ気でないなら、ノせる。頼む。拝む。
 プログラマにフルアニメを作れる技量がないなら、フルアニメでないが似たような印象を与えるシステムを考案する。
 なんなら自分が作る。

2・新規メンツ(望むことを出来る人)の追加の必要性を上に交渉する。
 当然コストが増大するので、それによって得られる利益を保証するようなアレコレが必要。

 無い袖は振れないから、振れ振れ言っても無理なので、どういう風に無い袖を補うかの話。
 それが出来ないなら通りすがりの気楽発言と変らなくなってしまう。

 実際の現場では、それこそ複雑な要因が絡み合うので、思ったように進まないのが殆んどだろう。それでもせめて、自分の意見を通す為に必要なことは揃えたい。下2つ。
1・信用と信頼。
2・ソロバン勘定。

 要するに、
 仕事を的確にこなす事で、信用、信頼を得て「ヤツのいう事は一理ある」と思われる状態を築く事。
 その上で「こうした方が結果的に儲かる」と説明できること。
 企業は利益追求の為の団体なので「結果的に儲かる」以上の正義は無い。
 その為の資料集めやコスト計算は出来るようになっといたほうがいい。



 もちろん意見には責任が付きまとう。トビ先の例で言えば、フルアニメにしてプログラマの人件費+1して、利益が+1に満たなければ完全な失敗。プログラマにスキルが足りず、工期が延びれば、人数*伸びた月日のロス。宣伝タイミングや、遅延損金のアレコレを考えれば物凄い損失を出す。(ちなみにフルアニメ(どんなかしらんが)はデータ製作コストも高いから、人件費+1ではまずすまないと思う)
 そりゃ、エライ人も保守的になるだろう。それぐらい踏まえた上で交渉すべきで。
 「お前のパンチには芯が無い」
 と思われても仕方が無い。この場合パンチ=意見、芯=説得力。
 「芯のあるパンチ」で人を殴るにゃそれなりの積み重ねが必要なわけで。


 と、一応一般論っぽく。

 ぶっちゃけ本音を書くと、マニアが喜ぶ要素と一般の人が喜ぶ要素って、加工と味付けで似たようなものに出来る場合も無い事は無いので、そういう手管でどうにか出来る場合もある。だからそうなるように考えるべき。
 ぐだぐだ言う前に、誰もが幸せになるアイデアを探すのが仕事。
 やっぱ、企画屋は、アイデアと紙と交渉能力、そしてソロバン。それぞれがなけりゃ、なかなか上手くは行かないもんです。
 自分もあとバケツ5杯分ぐらいは欲しい。

 あと、ついでというか、話題的に近しい話だったので、リンク。
自分の意志を反映させたいという人はゲームも良いかも(神様なんて信じない僕らのためにさん)
 トビ先のエントリ自体は、あまり大きい意思反映でないのと、プログラマの意見なので、問題ないと思うんですが、これでカンチガイした人増えると嫌なので、勝手に俺的な念押しをしておきます。(元記事の考えに反するかもしれないけど)
・意思を反映させようと思ったらコストがかかる。意見を言った人間がローコストで済んだ場合、誰かがそのコストを被っている。
・プログラマが意見を通しやすいのは「自分でコストを払えるから」作っちゃえば、そりゃよっぽどでなければ却下されない。

 ま、そういうもんです。
 一緒に働く仲間は自分の理想を実現する道具じゃないんで、「誰々が何々をやってくれない」じゃなくて「自分が何を出来るか」ですね。
 アイデアなんてよっぽど凄いの以外は誰でも出せるんですよ。
(よっぽど凄いアイデアってのは、コスト比で得なアイデアをいう。)

2007/09/21(金) 00:37:19| 固定リンク|仕事| トラックバック:1 | このエントリーを含むはてなブックマーク|
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島国大和のド畜生 ゲーム:企画屋の意見の通し方※トラバ失礼いたします。自分も若い頃はこういった発想が無かったので、“良い”と思われることを実装しない場面に出くわすと、何でそうなっちゃうんだろうと思ってました。ちょっと視点は違いますが、“良い≒あったら嬉し
2007/09/23(日) 11:48:49 | chakuro.com-ガンプラ日記にょ
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