島国大和のド畜生
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バグとデバッグとその果てに
 随分前に、ほとぼりが冷めたら書くといっていた、アレです。
 「普通は気付くだろ、それ」みたいなバグ含みのソフトが、最近わりと出回ったり回収になったりと大変な事になりやすいんだけど、何故そうなるかについて。
【最近のゲームのデバッグ】
 今のゲームは数十人でえいやっと作る。周辺を含めれば100人超えは普通。デカイゲームは開発だけで100人を簡単に超えたりする。

 規模が大きいゲームになると、全てを把握する人が居ないのは当たり前。(ここは驚くトコ)

 例えばRPG等では、全てクエストと敵の強さ、シナリオ、アイテムの関係を一人が全て把握しコントロールするのは至難。

 MMORPGなら全てのクエストの関連性とゲームバランスを一人でチェックするのは不可能な領域。

 というわけで、仕方が無いので分業になってしまう。

 作る方が分業なら、デバッグする方も分業。(ここも驚くトコ)
 ゲームの規模が大きいとデバッグの規模も大きいので別部署、別会社が受け持つのが普通。

 ゲームの要素を分割し、例えば、それぞれ「壁抜けチェック担当」「進行フラグ確認担当」とバラバラにチェックをする。
 この「ゲームの要素の分割の仕方」を間違えてヘンなチェックをしたりはもう慣れた。
 また、開発現場と遠い(精神的にも、地理的にも)為、情報の欠落を生み、1つのバグを直すのに高いコストが発生する。

 現場なら、
チェッカー「止まりバグ発生」
プログラマー「止まるまでの手順を再現してよ」
チェッカー「こんな感じ」
プログラマ「んーなるほど」

で済む所が以下のようになる。

チェッカー「止まりバグ発生」
     「これこれこうすると止まります」
プログラマ(これこれこうしてみる)
     (再現できない)
     (やり方を変えて何度か試す)
     (再現できない)
     「再発しません」
チェッカー「再発しています」
プログラマ「もっと詳しい再現の仕方を教えて下さい」


(これこれこうしてみる)
     (再現できない)
     (やり方を変えて何度か試す)
     (再現できない)
     「もっと詳しい再現の仕方を教えて下さい」
       :
       :
       :

 以後無限に繰り返し。

 画像ファイルや、ビデオを送ったりもするけど、それも含めてこういう感じの進め方が多い。
 こういったやり取りの間に、プログラムは常に更新されていくのでどんどんやり取りが無意味になって行く。
 仕方が無いので、開発は開発内にもデバッグチームを置くんだけど、予算が逼迫した場合、真っ先に削られるのはこの辺。


 上記はまだ、チェッカーもプログラマーも自分の職務をまっとうしているんだけど、どっちもグダってくるともっと酷いパターンもある。

チェッカー「もっと詳しい仕様書を下さい」
企画担当者「はい書きます」
チェッカー「もっと詳しい仕様書を下さい」
企画担当者「どの辺りが詳しく欲しいのでしょうか」
チェッカー「全体的にもっと詳しい仕様書を下さい」(全体的にといわれた時のコストの高さが解らない人は多い)
企画担当者「はい書きます」(仕方が無いので、プログラムの動作を見ながら仕様をつくる)
チェッカー「仕様通り動いています」
企画担当者(そりゃそうだ)(仕様書を書くのが仕事だが、忙しさにかまけて後回しにされる場合が多い)

 そして、これが文字情報で、1日1回とかのローペースで行われる。

 他にも、大量の人が接続するネットゲームで、チェッカーの一人が落ちバグの検証を繰り返して、断続的にサーバを落としていた際、他のチェッカーに連絡が無かった為に、一時的に報告の意味の無い落ちバグ数が100を超えた(原因は1コ)と言うのも聞いた事がある。大変アリガチで笑えない。

 ちょっと、現場の雰囲気を伝える為に長めに書いたけど、まぁ、どこもこんなもんじゃないかと。
 私の関わる現場なんか、もっと(以下検閲削除)。


【なんでこうなるのかな】

 ゲームの複雑巨大化による分業化の所為で、最近はこうもグダグダだぜ、と。

 昔はゲームの規模も小さかったので、デバッグ担当者にしても製作担当者にしてもだいたい全体を把握してたわけだけど、今はそれがムリ。そして組織の巨大化と硬直化によって泥沼が発生する。

 そしてそれはプレイヤーが望んだ結果でもある。

 マリオやドンキーコングが1983年、PSが出たのだって1994年。いまから15~20年ぐらい前だけど、その物量の違いは、ケタ違いとかいうレベルじゃない。
 メモリだけで言えば8kbから4.2Gだよ。何倍だそれ。でも価格はスーファミのゲームより安いんだ。
 バグ混入率をソースコードの長さで割るのは無意味だけど、もうバグの無いゲームは作れないよね。

 「でも、そんなの知ったこっちゃないよ、ちゃんとやれよ!」

 と、プレイヤーは思うだろう。俺だって思う。

 しかし、デバッグの為に数ヶ月製作が伸びたら、数百、数千万もかかったりするわけだ。
 何万本売上予定か、にもよるけれど、このロスは莫大なので、これ以上延びたら赤字だ!て時に経営陣がどういう判断を下すか。

 全部のバグを取ろうと思ったら、ゲームの単価が跳ね上がってしまう。タダでさえ無料ゲームのあるご時世に、そんなものがプレイヤーに受け入れられる状況ではない。
 言い切ってしまえば、バグの無いゲームはありえない。

 さらに言い切っちゃえば、以前ほどゲームは儲から無いのよね。

 プレイヤーの欲望は留まる事を知らない。当然のように、もっと凄い、もっとバグらない、もっとボリュームのあるものを、もっと安価でと、開発の事情なんか知らない。(当たり前だ。)

 市場が先鋭化して競争が激化してしまっているのね。レッドオーシャン化と言ってしまえば早いんだけど、あんまり適切な語の気もしない。
 

【どう対応していくのかねぇ】

 対応の仕方、というか、開発者の処世術も含めて書きかけたけど、これまでにもその解答になるようなエントリを書いているので、今回は省略。
 またいずれ。



2007/06/05(火) 01:00:51| 固定リンク|日記| トラックバック:1 | このエントリーを含むはてなブックマーク|
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