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銀河英雄伝説 本伝 アニメ 感想
銀河英雄伝説

 四期110話。長い長い。凄まじい長さ。
 ファンも多く、いろいろな角度の考察も多い中、あんまり詳しくない自分が感想を書く意味は「へー浅い人はこう思うんだ」というのを見る程度の意味しかないが。
 このブログは自分メモなので書いておく。
 今更ネタバレをどうこういう、作品ではないが念の為、続きを読む、以降に隠す。
■あらすじ
 銀河に進出した人類は2つの勢力にわかれて戦争状態あった。
 貴族支配による専制君主精度の「銀河帝国」。
 帝国から脱出し、共和制、民主主義を敷く「自由惑星同盟」。

 ラインハルト・フォン・ローエングラム(ミューゼル)、ヤン・ウェンリーの二人と、その周辺を軸に、戦争と政治、経済、宗教、を寓話的に描く。

 ラインハルトは、銀河帝国の腐敗した貴族政治の中から軍事的成功を繰り返して地位を固め、最終的には専制君主となり、清廉な政治を行うことになる。
 ヤンは、自由惑星同盟にて腐敗した民主守秘の中、卓越した戦術力で常勝無敗で提督をつとめる。なんどもクーデーターを成功させることが可能なポジションにありながら民主的な手続きに重きをおき、腐敗した政治に対しても従順に振る舞う。
 物語は2人の傑出した才能を持つ英雄と、その他多くの才能を軸に描かれる。

■感想
「清廉な専制政治と、腐敗した民主主義どっちがいいか」
 という問いに対し、
「専制政治のほうがドラスティックに改革できるが、権力者が常に清廉であるための仕組みがない」
「民主主義は、どうしたところで腐敗するが、ひどい専制政治よりマシ」
という、まぁ普通のお話を展開するわけだが、それぞれを体現するキャラクター、また居そうなキャラクターを大量に配して、彼らが「事態に対して」「そのポジションから」「どう反応するか」というのを楽しむj構造になっている。

 ぶっちゃけると、これ下手くそだと見てられないと思うのだが。非常にうまく興味を引っ張り続ける。

 ただ、100話を超えるエピソードの3/4あたりで、ヤンが退場するため、「優秀な専制政治に民主政治は勝てない」という当たり前の決着の後も残った物語を消化するのだが着地点を失って失速して感じる。

 ヤンはスキルがあるがそれを自分の為に使わないという、わりと日本人の心性に刺さるキャラなので人気があるが、彼自身はそれによって、彼に期待する多くの人を不幸にしたことになる。
 では、どうすることが最も良いか、みたいなところにユリアンの立ち位置で探りを入れるのかなと思ったらそうでもなかった。
 ラインハルトは、スキルがありある程度の清濁を合わせのみ、その上で清廉さがあるという、これも日本人ウケのよいキャラだと思うのだが、これをいったいどう退場させるかというと、病気退場である。
 ここまで話を引っぱったらなんらかの回答めいたものを求めてしまうが、みごとに全部肩透かしをかます。

 なかなかによくやるわという作りで凄い。
 別にガンダムにおいて、アムロVSギレンを描け。という話ではない。そこは肩透かしだからこそ良い。
 銀英伝の肩透かしはほんと全般に渡る;

■細かい気になるところ
・物語のトリガーになるような、大事件はたいていザル警備下で引き起こされる。
 銀河皇帝の目の前まで、バズーカもった賊がやってくるのを頂点に、あちらこちらで重要な場所に賊が侵入し政治的転換が発生する。テロリズムバンザイの効率の良さである。
 ワープ航法があり、広く宇宙にまで支配地域を伸ばした人類社会で、このザル警備。

・生産と、位置関係の曖昧さ
 どこの星でどういった問題があり、そこに誰がゆく。といった場合にかかる時間や問題は曖昧に処理される。
 また、宇宙を埋め尽くす規模の艦隊戦が行われるし、巨大な要塞が登場するが、これらの生産に携わる部分はボカされている。
 宇宙戦艦建造にまつわる技術、生産力に簡してはほぼ触れないレベルだ。

 人類社会の生産性において、土地(地面、太陽光、水などの最低限生産基礎)が無尽蔵にあるのならば(居住可能な惑星が存在するのならば、生存が保証されるため)殆どの争いは解決が可能なはずなのだが、なぜか領土を奪い合う超大規模戦争になっている。(居住可能な惑星が貴重なのかと思いきや、辺境だから捨て置かれた、などの話も出る)

 惑星間通信速度もボカされている。
 たとえば現実ならば、火星と地球で光通信したとして往復6分4秒かかるわけなので、ここは丁寧にやるとややこしいところではあるのだが。(ワープ航法が有る世界なら時空通信があってもおかしくはない) 劇中では通信とかをメモを手渡す描写が多い。

 こう言う部分は、兵糧の話や、軍のロジスティクスの話をするなら避けて通れないが、その避けて通れないところを避けているので、つまるところ、寓話であり、そこに意識的であると思う。
 ここをちゃんとやるのはほぼ無理だし、視聴者にも違和感を与えやすい。
 映像による花火のシーンなどは、音と光のズレを補正しないと見ている人は違和感を感じるので調整するのは映像屋のなかでは常識だというし。そのへんの延長だろう。

 しかし、通信からロジスティクスまでがもうちょっと一気通貫で丁寧に

・宗教、黒幕イメージの貧困
 銀河帝国と、自由惑星同盟という2大勢力の戦争が物語の3/4を使って描かれ、それらを裏で調整するとされる「地球教」という宗教があるのだが。この宗教が麻薬+ローブといった「えーその宗教観なの!?」という浅い感じでがっかりする。
 帝国や、民主国家の書き方も、深いわけではないが視聴者に歴史感を伴ってああだこうだうんちくを垂れるには必要十分だと思うのだが。宗教は本当に安っぽい描き方をされており。
 宇宙に膨れ上がった人類が、その科学力、生産力をもってして、1つの宗教がそれを背後から操れるだけの狂信とコストを調達するにはそれなりの描き方が必要だと思うのだが、そこはとんでもなく粗雑に見える。
 フェザーンもそうだが。

■感想2
 ということで、ケチをつけたところで感想に戻るが。

 自分が銀英伝に触れたのは、当時これの小説が好きだった知人が何人もいたのと、それゆえに最初のOVA(なんか、目の前で横切るやつ)を見た、それ以後もポロポロ見たぐらいなのだが。

 寓話と割り切るにもツラすぎる、全宇宙的ザル警備と、宗教、黒幕、全面的な肩透かし。

 これだけ、いろいろと難を抱えながら、フツーに面白いのである。すっげぇ。

 キャラクター魅力(つまり行動原理の設計)でここまで引っ張れるのはほんと半端ない。
 コレに関しては、新作旧作を見比べると、新作の方は、キャラクターにブレがあり(内心で語るべきところを、演説しちゃう感じで、他社との距離感や配慮がある人物が、そう描かれない)物語として、はそういうキャラの魅せ方が魅力の大部分を担っているように感じるので、旧作に軍配が上がる。(新作は新作の良さは有る)
 ほんと、すげぇなと思う。

 あと、わりと触れる人が少ないので触れるが 何十年経っても古びないメカデザインは凄まじいと感じる。
 今見てもまったく、新しくかっこよい。素晴らしい。

 ゾンプラ無料のうちに、ゾンプラ会員で、興味のある人は見ておくことをオススメ。

2020/09/13(日) 01:59:43| 固定リンク|日記| トラックバック:0 | このエントリーを含むはてなブックマーク|
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