島国大和のド畜生
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物語に重要な一つのこと
 最近シナリオに関していろいろ思うことが多いので。つらつらと書く。個人的なものである。

■物語に重要な一つのこと
 物語に重要なのは『動機』だと思っている。
 物語は『主人公が望まぬ状況から望む状況へ向かっていく』ものに解体できる。もちろん例外はある。

 バトルやスポーツ物語は、勝利を渇望し。
 ラブコメは異性の獲得を熱望し。
 戦争ものは生存を望む。
 ジョナサンはディオとの因縁に決着をつける。

 もちろん、望む状況に向かっていくが失敗する。というのも物語だ。
 さらに言えば、『良かれと思ったことが裏目に出る』がもっとも簡単に感情を上下させるドラマで。
 それを繰り返したのちに『だが勝利する』が、もっとも受け入れられやすい構造である。

 しかし、その物語の目的、目標に対しての『動機』これが薄いと、物語は楽しみにくいといわれている。
(シナリオ技法とか読むと、大抵「動機はとても大事」ということが、言い方を変えて書かれている)

 最近、巨神ゴーグを見たのだが。
 自分は、ゴーグがとても好きだ。
 まずジュブナイル、少年SF、南洋冒険譚として優れており、TV放送と思えぬクオリティの絵と動きでそれを支え、冒険を期待させるOP、しっとりさせるEDと、大事なものを多くそろえ、メカは宇宙人ロボという奇天烈なタテツケながら、それをリアリティをもって描くために、ワキを現用兵器風のリアリティあふれるデザインのビークルで固めている。
 こんなの好きになるに決まっているだろう。
 しかし、当時からどうにも物語に乗り切れないものを感じていた。

 主人公チームの動機が弱いのだ。
 普通の子供が、施設軍隊とゲリラがドンパチする戦場のど真ん中に自ら飛び込む、その理由が薄い。
 子供が人に向かって銃を撃つのは、越えるべきハードルが大量にあるし、普通の大人が子供に向かって引き金を引くのもかなりハードルがある。
 それを納得させるだけのものを用意できないまま物語が進んでいく。

 ここで、個人的に出来が良いと思っている1stガンダムを例にあげる。

 アムロがガンダムに乗って戦うまでに用意されているタテツケは大量にある。
 人口の半数を失う戦争状態、人手不足、軍艦を難民船としてつかう状況、開発者の息子、メカマニア、そして彼女の家族が殺されており、自分が戦わねば皆が死ぬという状況。そしてニュータイプ。
 ここまで用意すれば、少年は引き金を引く。

 マジンガーZならば、敵がモンスターで人間に殺意を向けるので、それに向かって兜甲児が引き金を引くまでのダンドリは少なくて済んだが、戦争状況に少年をぶちこむにはこれだけの準備が要る。

 あまり個人的評価の高くない、Zガンダムはどうだろう。
 カミーユがあの戦争に巻き込まれる必要はあったのか。いつでも降りることができたのではないか。
 なぜエウーゴに参加し続けていたのか。ちょっとスッキリしない。

 アムロは「再会 母よ」のエピソードで、ホワイトベースを降りるという選択肢を自ら破棄する。アムロどころか、カイ、ハヤト、それぞれに、クルーとして戦うか、戦争から降りるかという選択肢が何度か突き付けられている。(くどいといえばくどい)

 別の話で。
 twitterで稀有馬氏が、ラピュタのパズーの動機づけとして、これでもかとシータが守るに値する少女であることを描いていることを評していたが。これも強い動機付けだと思う。

 最近は読んでいないのだが、進撃の巨人が出てきたとき、あの巨人のビジュアルや立体機動装置といったタテツケよりも、主人公エレンの『巨人を駆逐する』という強い動機づけに、「これは人気出るんじゃないのかな」という印象を受けた。
 少年漫画の主人公というのは、共感できる強い動機が必要なのだと思う。(どんな動機でも、それがとても強ければ、人を引き付けて共感を呼びやすい。)

 動機に注目してみると、人気作品は、巻き込まれがたの主人公だったとしても、案外能動的に決断をしたり行動したりしている。
 優柔不断系の高橋留美子作品の男性キャラも、とても能動的だ。

 物語というのは結局、自分と違う人たちの生き方、行動に一喜一憂するものなので。主人公に限らずほかの登場人物もどういう意思でその場にいるのか。なぜ下りないか。といった動機は重要だと思う。

 そこに共感できない、納得できない、腑に落ちないということであれば、物語を楽しめない。

 物語を見ていて、引き込まれないなと感じたとき、物語構造を整理すると、この『動機が弱い』『動機にリアリティがない』の場合が多い。

 ああ、『動機』『モチベーション』『理由』大事だなと。

 荒木飛呂彦は登場人物の履歴書をがっちり作ってから漫画を描くという。それがキャラクターに奇妙な実在感を生み、荒唐無稽な話の中で、確かな足場を構築している。そして目的意識をもって状況を切り開いていく様は、物語強度が高い。

 だが、この動機、必要でない場合もある。
 映像作品でもAVやグラビアは動機もモチベーションも不要だ。そこに映っている女性こそが目的なので、物語自体が必要ない。
 また、日常系とか、可愛い女子がただ、キャッキャうふふしてる奴とかも、とくに動機は必要ない。それはAVやグラビアとも同じだし、環境音楽とも同じだ。強い動機は必要ない。むしろモラトリアムを楽しむものだ。

 ロボットアニメが、動機不明瞭のまま成立してしまう場合が多いのもここにある。女の子の媚態の代わりにロボットが活躍していればいいのがロボットアニメだからだ。

 また、ゲームのシナリオでもわりとおざなりにされやすい。
 ゲームをすることが主軸なら、目的も目標も何でもよい。むしろプレイヤーが持てばいい。そういうゲームはあるし、ゲームというのはそれ自体が大抵の場合、ルールであり、遂行すべきミッションだから、物語はその補強であるべきだが、物語が無くても平気だったり弱くても気にならなかったりする。

 でもこれらは、『物語を必要としないジャンル』では『動機』が不要。みたいな話なので。

 そこに『物語』があるならば『動機』は重要。

 ってことでいいんじゃないかなと思っている。

 今回わざと、いくつかの別の話を混ぜて書いたが。単独で1コづつ書くと面白みのない教科書文章みたいだったので。

 さて寝ます。
 誤字とかあったら直します。

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