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映画 ペット (吹替版) 感想
 ペット
 amazonプライムで無料だったので家族で視聴。子供にウケよし。
 大人的にもダレさせないテンポとネタの詰め込み具合。

 とまぁ非常によくできており、文句をいう筋合いはどこにもないのだが、なんというか完成度が高いが、高いだけ的な印象を受ける。

以下ネタバレのため未見の人は回れ右。


 最近の海外産のCG映画ではよくこの感覚に陥るのだが。なんというか、シナリオプロセッサで丁寧に練りこまれたテンポと、必要なエッセンス、友情とか家族愛とか、それに至るまでの確執とか。そういうよくあるものをよくある感じでしかし高い精度で作り上げた物語に見える。

 トイストーリーやらアナ雪もそうなのだが。
 トイストーリーが玩具の自由意志、人との出会いと別れ、というエモーショナルなものを扱っていたり、アナ雪が、歌が全部場面とは裏返しだったり、恋愛よりも家族愛を押したり、優しい両親すら枷だったりと、裏側から攻めてみたり、まぁこういうのも含めて予定調和ではあるのだが、それ自体は成功を収めたと思う。

 実際これは、アニメだけの問題ではなく、ハリウッド系の実写映画とかも同じようなシナリオの練りこみ具合と予定調和を感じるのだが、俳優という生身のパーツがそれでも計算づくではないエモーションを感じさせて間が持ったりする。

 ペットの場合は、あんまりそういうのなしで直球。
 キャラクターに多少ヒネ(悪党のボスをウサギにするなど)があるけども、それほど深くはしない。
 子供向けを考えればこは良いと思う。誰もかれもがヒネたり、アニメごときに自分の生活を肯定してもらいたいと思っているわけではないから。
 
 映画に何を期待するかは、人によるのだが。
 自分は、2時間前後の娯楽を期待しており、それに関してはまったく見事に丁寧に答えていると思う。
 そして、映画にどんなプラスアルファを求めるかというと、見終わった後何かを感じたり、思い出したりするエッセンスが欲しい。

 ここで宮崎駿の映画と比べるのも大変ひどいヤリクチだが。
 宮崎映画はシナリオの整合性とか抑揚とかはだいたい捨ててる。ハウルなんかはもう映画で説明することを放棄している。千と千尋の物語はあまりに単純すぎてなんだかわからない。ポニョなんかはもう物語として成立しているかすら分からない。
 しかし語ることを放棄された莫大な設定や考えられている哲学があり、その断片からにじむ何かを感じさせる。
 物語なんか伝わらなくても、動きだけで2時間魅了してやるよという卓越した能力と、それだからこそ断片だけで物語を伝え、描かれていない何かに気を揉ませる力があると思う。情念とかそういう言い方も陳腐だが。

 ここで庵野のエヴァンゲを例に出すのも大概だが。
 エヴァンゲは衒学に衒学を重ね、何かすごいことをやっていそうな物語で、しかし何かすごいのはその語り口であって、語られることには凄いことはなく、むしろ何もない物語を、タテツケとその演出の切り口だけで、盛大に凄いものに見せた。謎の核心などないのに、それを追って見た人が大勢いた。

 とまあ、こういうフィルムに焼き付いていない部分の何かを、映画に期待するのも野暮天なのだが。
 毎年何本も映画を見てると、印象に残る映画というのは、そういう奇形的なものになってしまう。

 とはいえ情念だけで取られた映画が面白いかといえばさにあらず、何事も匙加減であり、さらには好みの問題なのだろう。

 ペットは高いレベルで作られて良い映画なので。
 それを見ながらああだこうだいうのはダシにしているだけなのだが。
 そういうことを考えちゃうような、何かがあった。

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