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本 裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬 感想
裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬


 読み終わったので感想を書く。
 面白かった。

 この小説には、IT業界で働く人には、琴線に触れる小ネタがちりばめられている。

 著者の柳井氏は、飲み会などでの面識があるが、社長で本人自身コードを書く人なので。物語の中でのリアリティを裏打ちしている。
 その辺は、
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マンガでわかるJavaScript
 この辺の著述からも読み取れるだろう。

 以後、核心は避けるが、ネタバレを含む記述があるので、未読の人は回れ右で。

■あらすじ
 投資者を得て、プログラマーの斡旋の会社を立ち上げた、若き直情型女性社長は、斡旋したプログラマーによる悪意のプログラムによって窮地に立たされる。
 彼女は、調査のために紹介されたプログラマー「鹿敷堂桂馬」とともに、真犯人を追及する。

■感想
 最近通勤時間をソシャゲ勉強タイムに充てて居たため、読み進めるのに時間がかかってしまったが、中盤以降は一気に読めた。

 個人的にいいなと思ったポイントとして2つ。

 1つ。リアリティレベルの絶妙さ。
 IT企業周りのお話のそれらしいあるあるから、物語を飛躍させる絵空事までの距離が丁寧に調整されており、嘘くさすぎるところまで話が飛んで行かないし、地味すぎるところにも着地しない。
 明智小五郎や、京極堂のように、何でも解決してしまう探偵というガチガチの探偵小説的探偵を、現代を舞台にどう実現するか。
 そのあたりを丁寧にうまいところに着地させていて、白けずに読めて楽しい。

 2つめ。IT知識的な部分の距離感。
 主人公を技術がわからない女性社長にすることで、技術的なことがわからない人にも読みやすいアングルとしている。
 物語のギミック、トリックは、プログラム的なものはそんなにないし、IT業界あるあるの積み重ねとボタンの掛け違いで作られている。

 最近、えーリアリティレベルそこなの?? みたいな創作物ばかりに触れていたので、硬いところに着地しつつ、快感のあるところまで飛躍しているこの物語の振れ幅はとても心地良かった。

■自分の衰え
 ここんところ本を読むと言えばHowTo本で自分に関係のあるところから読みだす、みたいなありさまだったので。久しぶりの小説は速度が乗るまでに時間がかかった。

 話の構造が、「主人公と状況の説明」「事件の説明」「鹿敷堂の登場」「事件の解決」という順番になっており、鹿敷堂の登場まで、80ページぐらい(だっけ)かかっているので、そこまでがモタついて感じた。(若い頃はこれぐらい平気だった)
 また、登場人物紹介部分(この中に犯人がいるのだろう一覧)が、エピソードでなくざっくり説明で流れていくので、名前が頭に入らなかった。(老人脳)

 この辺り本当にゲーム脳でアレなのだが、ソシャゲ的なゲームシナリオならば、冒頭で鹿敷堂の顔見せと、事件の話にちょっと触れてから、他の話に入るという順番にすると思う。
 もちろんこれは、俺だけの感想で、他の人は違う感じ方をするだろうし、話が一向に転がらない京極堂とかが大人気なわけなので、小説読者に向けて用いているシナリオロジックが全然ちがうのだろうと思う。
 その辺も含め、自分の知ってるシナリオロジックと違う展開は全部読み終わった後振り返ると面白い。こういうことを意図してるのかな。とかほじくり返すと味がある。

 そんなわけで、最近本を読んでいなかったのが非常に響いており、イカンもうちょっと読もうと思うのであった。
 そういえば、別で以前おすすめされたラノベとか、いただいたラノベとか、ラノベも結構読むようにしていた時期があるのだが、これも世代的なものか、作劇のロジックが違っていて、妙に面白かった。

 ここんところ勉強用にソシャゲを複数まわしていて、その手のソシャゲは隙間時間を全部もってくので、本がどんどんたまってしまう。最近は購入数まで減る始末だったので、いろいろと手を打たないとヤバイ。もっと遊ばないでいいゲームが増えてほしい。

■まとめ
 現実的なIT業界あるある話から、ちょっと飛躍した犯罪、それをザクザクと解いていくプログラマ、というタテツケに興味がある人にはお勧めできる。
 類似業界の人は、ありそうな話となさそうな話の間の埋め方とかが楽しいと思う。

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