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映画 ゲゲゲの女房 感想
ゲゲゲの女房
 なんとなく見た。

 ゲゲゲの女房への知識は、原作ざっくり読み、連続TV小説(NHKの連続ドラマ)ザックリ視聴(時々飛んでる)映画、今回初視聴。と言った感じ。水木作品のマンガはかなり読んでいて、本作に搭乗する悪魔くんや吸血鬼エリートなどはすぐわかった。

 以下ネタバレ全開にて。



■あらすじ
 太平洋戦争で片腕を失った武良茂は、水木しげるのペンネームで貸本漫画家をしている。
 武良のもとに、お見合いで嫁いできたのが、布枝。彼女の目を通して当時の彼ら生活を描いていく。
 水木の貸本マンガは暗くて売れず、軍人恩給は両親の元に送っており、生活は貧窮を極める。
 そんな中、少年マガジンから、現行の依頼が。

■感想
 原作は、「大変だったけどまぁそんなもんよね」という女性的なおおらかな視点で書かれている。
 NHKドラマは、さらにコミカルな感じ+美男美女への置き換えで、絵として辛くならないようになっている。及び戦後なので他の人もみんな貧しい。
 そして、映画版だが、水木しげる役の宮藤官九郎がNHKドラマ版(向井理)と違って二枚目でなく、布枝を演じる吹石一恵が定評のある不幸顔で、生活苦感がヒシヒシくる。しかも他の人生活があまり描かれないので水木家だけが苦労している感じ。
 比較対象がなく、ずっと生活苦の話をしている。

 2枚目(向井理)だと笑って許せるセリフが、貧相な顔(宮藤官九郎)が言うと、不安と不満しか出てこないムードになる。
 BGMを殆ど使わず、金がない、生活苦、を全面に押し出した映画になっている。「貧乏で死んだ人は居ない」と水木のセリフにあるが、映画中に一人餓死している。
 そして、その状況で、布枝が子供を身ごもり、「おなかの子に悪い状況はやめてー」という状況が続く。

 このあたり、原作もドラマも、水木がメジャーデビューし、売れていく過程も描かれているので、物語の抑揚として辛いタイムがあれど、全体としては明るくまとめている。
 それに対して、映画版は、少年マガジンで読みきりが掲載され、連載へ、というところで終わる。全体の9割以上が生活キビシイ描写なのであった。

 同じ原作から、ナニをキーとして抜き出すかと考えた時に、朝の連ドラで生活苦を延々やるわけにはいかないから(おしん的なサクセス物ではないので)、どうすんだこれという状況をひょうひょうと生きてく二枚目の水木しげると、それを支える女房ってのは、わかりやすい落しどころである。

 映画版では、色々と大事な所が欠けた貧相な水木しげると、それを支えてるんだけど、なんで支えてるのか良くわからない、不幸顔の女房である。
 くこの状況で子供が出来たな。どこに愛情があったのかな。みたいな。

 原作自体、結婚したら愛情はあとからついてくる、とりあえず尽くすのが大事、的な視点で書かれているので、映画版がことさら偏った視点になっているわけではない。
 ドラマとしてのヒキは強いので、この貧乏ヤベェをヒキとして使うのはありだと思うのだが、全編がほぼそれってのは、この映画に期待されているものだったのだろうか。という疑問はある。

 映画中、何度か水木のマンガ原稿がアニメで動くシーンがあり、見事な水木っぽさのままの動画でこれはグっとくるのだが、本編とはそれほど馴染んでいない。
 妖怪が画面に映りこむような描写が、映画もドラマもあるのだが、地に足のついた貧乏な映画版では、ただの異物であった。

 こういうゲゲゲの女房もありだと思うし、事実こういう部分もあると思うのだがエンタメに昇華しない演出と抽出は、これは誰に売るつもりだろう?とちょっと考えてしまう。



原作:ゲゲゲの女房
NHKドラマ;ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX1

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