島国大和のド畜生
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漫画 クロカン 感想
クロカン
 タイトルだけ知っていて読んだ事がなかったのだが、ドサっと借りたので通勤中に読んだ。
 面白かったので感想を書く。
 キンドルだと1巻0円だね。
■あらすじ
 クロカンこと黒木竜次は高校野球の監督。
 横柄な態度とバクチ的な采配だが深い読みと信念があり、野球部を勝利に導く。
 二つの野球部を何年か受け持ち、戦果を残す。

■感想
 タイトルから、勝手にとても腹黒い監督の話だと思っていた。
 たとえば、相手チームに偽情報を流すとか、女性を使って対戦相手の投手を誘惑するとか、ルールブックの隅を突いたような試合展開をするとか。主審を買収するとか。高野連とモメるとか。

 特にそういう話ではなかった。聞けば漫画ゴラク連載だという。
 あ、そりゃ、そういう話じゃないわ;
(あーメディア通してニセ情報は流してた)
 黒木監督でクロカン。ふてぶてしいが野球には真摯で独自のロジックで采配する物語。

 物語の基本は、無茶で無謀な采配とその采配が実は何らかの裏づけがあったというヒキと解答の構造。それ+ふてぶてしいクロカンのキャラクターで引っ張るという作り。

 牛の糞をつめた風船でキャッチボールをしたり、指導に対し直接生徒から金をとったり、練習試合で負けたら奴隷というルールで部員をしごいたり、といった極端な方針と、それが実はこういう裏づけがあったのだ!という種明かしが主軸。
 なわけだが、あんまりちゃんと種明かしになっていない場合もあり「とにかく興味を引けば良し」といういかにも漫画の王道を行く作りとなっている。

 もうひとつの王道、キャラクターでは、クロカンがふてぶてしく敵を作るタイプの男だが、野球には真摯、という造型で、これも成功している。
 女性キャラも2名配して関係性を安定させないし、生徒側もやる気や方向はバラバラで安定させない。このあたりも漫画的状況設計の上手さを感じる。

 話も王道で直球。
 鷲の森高校編では、坂本という怪物投手を得て、いかに坂本によってピンチを切り抜けるかという物語でもある。ほとんど喋らず考えが表に出ない、しかし大人びている、だがまだまだ所詮高校生の坂本や、その他の選手も成長や離反が描かれる。
 強豪に0-6で負けていた所を9回裏からひっくり返す、ほとんどの投手が継投なし、勝敗に大きく絡むのは心(緊張、ゆるみ、積極性)。

 また表現も直球だ。
 試合に風が吹く⇒比喩だが、風が吹く絵が入る。
 決勝への扉が開く⇒比喩だが、扉が開く絵が入る。
 甲子園が生きている⇒比喩だが心臓のような脈打つ甲子園が描かれる。

 これも、非常にわかりやすく直球な絵と直球な物語の作りで、漫画の教科書的でもある。

 別にわざわざ、こういう教科書的なつくりをあげつらう必要はゼロなのだが、もっと酷い、腹黒い監督の話だと勝手に思って読み始めたので、あまりの王道さに驚いたのだ。

 漫画家の三田紀房はそれほど絵が上手い方ではなく、それゆえキャラクターの魅力の出し方や、話のパターンなど、非常に『狙い打つ』感じの作りで、これはもしやとても勉強になる素材かも知れない。

 というか、このヒット作をまったくおさえていなかった自分に問題があるなー。

 大衆娯楽の基本が抑えてあるような感じがする。オタク受けする要素は全くない。

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