島国大和のド畜生
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VF-1J バルキリー メカ語り
デ・デカルチャー(挨拶)

■バルキリーとは
 バルキリーは、アニメ作品、超時空要塞マクロスに登場する可変戦闘機である。可変つっても翼が後退するとかでなく、人型と戦闘機と人型の中間(ガウォーク)になるという、気合の入った仕様だ。

 あまりにも見事な変形であり、変形ロボット史に燦然と輝く名機であり、後続の飛行機変形ロボットに多大な影響を残した。
 製作者サイドもこの変形の凄さを理解した上で、第一話放送まで変形を隠していたり、第一話のOPでも変形がネタバレしないように変形シーンを別のシーンに差し替えたものになっていたりで、提供側として万全の体制である。

 そして当時タカトクトイスから出ていたバルキリーの合金玩具は、コクピットシールド以外は完全変形という、これまたすさまじい完成度で爆発的な人気玩具となった。
 この画像は復刻版であるので多少の商品仕様が異なるが、当時の男の子の脳内ではまさにこのノリであった。

 バルキリーのこのデザイン的発明を勝手な視点で、ちくちく崇め褒め奉りたいと思う。

 何しろ、飛行機変形玩具の長い歴史の中、ど真ん中に鎮座する、バルキリー型変形の始祖である。
 コレ以前は、グロイザーXとか、ゲッターロボとか、ダイターン3の飛行形態だ。



■バルキリーのリアリティ
 アニメ作品超時空要塞マクロスは、巨人の宇宙人との戦争の為、宇宙人のテクノロジーを利用した巨大戦艦とロボット群で戦うという、荒唐無稽な物語である。
「ロボ+恋愛+アイドルドラマ」というマクロス大三角形の要素を見るに、これでリアルは無理だ。
 それを一撃でひっくり返す大技が、変形であった。
 変形のどこがリアルなのか。実際の戦闘兵器は変形しない。変形なんて絵空事である。
 ところが、バルキリーは、実在の名戦闘機F-14のような形状から変形するのであった。
 絵の力というのはハンパないもので。
 絵空事とリアリティの橋渡しをするのにこのデザインは一撃必殺のパワーがあった。
「全くの嘘だがリアルだ。」
 なにを言っているのだか解らないが、バルキリーはほんと凄いデザインである。
 ちなみに脇を固める他のロボット、特にデストロイドディフェンダーの凄まじいまとまりの良さや、宇宙人の戦闘ポッド、リガード、グラージなどの、宇宙人ぽさなど、褒め称えたいものは多い。あとそれらのプラモのボックスアートの素晴らしさも、マクロスの世界のリアリティに一段貢献していたと思う。今回はバルキリーの話なので涙を呑んで割愛する。
 一応ボックスアートを検索してはって置く。(コレをして著作権に触れないだけでもamazonの価値はあると思う)

 ディフェンダー


 リガード


 グラージ


 モンスター


 トマホーク
(ボックスアート発見できず)


 アイドルソングで敵宇宙人が動揺している間に、単機特攻で敵中央部を破壊して帰還する。

 これほどの絵空事を、なんとなくそれっぽい物語であるとするのに、メカニカルデザインが果たした役割は大きいと思う。
 ジョージルーカスに金を出させたい類の大仰な物語である。


■バルキリーの変形の嘘の少なさ
 その変形が、ロボから現用戦闘機(風)への変形であることから、視覚的なリアリティが大きいことは先に述べた。
 次には、その変形の嘘の少なさ。を褒め称えたい。
 バルキリーは変形過程で、尾翼を折りたたみ背中に背負うのだが、これがエアブレーキを兼ねるとされている。
 それ自体がどうという事はないが、たとえばガンダムの合体変形を思い出してもらいたい。
 ガンダムの合体は
 Aパーツ(上半身)+コアファイター+Bバーツ(下半身)
 がオープニングで合体をするが、まずBパーツとコアファイターが合体し、そのままぐんぐん上昇しAパーツにドッキングする。
 Bパーツにはエンジンバーニア的なデザインはない。(ガンダムの足の裏にバーニアが描写されるようになったのは映画版から)
 意味不明の力によって空中合体が果たされているのだ。
 これは、コンバトラーVが磁石の力で合体したように、アニメでソコを考えちゃだめだよね、というパートでもあった。
 変形シーンは見せ場(玩具を売るためのCM的役割)なので、スローでじっくりその過程を見せるし、突っ込み不要である。

 自分はトランスフォーマー玩具が好きだが、トランスフォーマーは機械生命体宇宙人の擬態なので、その変形にリアリティはもとめられない。変形のパーツ移動で、エンジン真っ二つ、コクピット真っ二つ、は常習的である。

 そこに来て、バルキリーは「尾翼を畳む際にエアブレーキ」である。
 その後もすごい。
 足裏がエンジンバーニアとなっているが、これが飛行形機態でも人間型でも同じものが使われる。
 これをぐるりと回して、逆噴射をする。

 その状態で、両足の間に位置していた腕を展開すると、ガウォークといわれる形態となる。

 この説得力がハンパないのであった。
 高速飛行形態のファイター型から、手足を出してガウォーク。ちょっとまてこれじゃ前に進む推力得られないんじゃ、という疑問に答えるように、背中に畳まれた尾翼基部から、エンジンバーニアが顔を覗かせる。

 デザインが説得力を持っている。


 そして連続したカットで出撃、変形から強襲するという、こういう使い方をするメカですよ、というとてもイカしたOPによって、その説得力は倍増されている。

■変形玩具の鬼門 余剰パーツ
 バルキリーの変形には余剰パーツがない。
 ロボット(バトロイド)時の武器(ガンポッド)は、変形(伸縮)させて、飛行形態時は胴部中央に吊り下げられる。実際の戦闘機のミサイルのような見せ方となる。
 ロボの顔は、機銃の基部であり、それも飛行機時には、機体下部に位置し機銃として動作する。
 変形ロボットではよくある、手足の伸縮も、手首の収納のみである。(これは後のバルキリーでは手首の収納に伸縮しないものが現れた)
 バルキリーをライバル視したといわれる、Zガンダムと比べてみよう。
 Zガンダムは、顔は胴部に収納しウェーブライダー(飛行機(大気圏突入))形態時には内臓されている。
 足は伸縮による変形がなされている。(最近の模型では無いが、当時の設定がでは足首などが縮められている)
 Zガンダムのウェーブライダー形状の機首は、シールドが用いられている。(シールドがないと変形できない)
 べつにZガンダムのデザインが悪いわけではなく(バルキリーは人間型の形態で犠牲を払っている)なにを重視してデザインされているか、という話。
 そういう意味で、バルキリーは、変形を、ギリギリまで突き詰めようという意思を感じるデザインだと思う。
 その後のバルキリー(ファイヤーバルキリー、メサイアバルキリー)での、パーツの移動を見ても、余剰を出さない、再現不可能なギミックはやらない、といった強い意志を感じる。
 また、そういった歴史を経て何度もリメイクされ調整され、玩具において、とても完成度の高いデザインになった。
 あの航空機模型のハセガワまで参戦しているのだから。

■リアルのエッセンス
 ロボットにおける顔というのは、リアルでないものの集大成である。
 目が2コついてたり、あまつさえビカーンと光ったり、ものによっては口がついていて、操縦者と連動して叫んだりする。
 バルキリーのそれは、「はいはい機銃の基部とカメラですよ」「人間の顔っぽく見えるかもしれませんねー」という体裁をとっている。その匙加減がすばらしい。
 リアリティだけを追うならVF-1A(あまり顔っぽくない)もいいだろう。しかしギリギリヒーロー性を残し、主人公ロボとしてのカリスマ性を与えた、VF1-Jの顔デザインはすばらしい。
参考:VF-1A
参考:VF-1S,VF-1J

 そのほか機体へのマーキングやライン、翼灯、肩部分にライトがある等、リアルに見えるエッセンスを、詰め込まれたデザイン。

 また、現実の可変戦闘機(F-14とか)の可変翼(速度にあわせて後退角が変わる)が、そのままロボットへの変形とつながるなどもポイントが高い。
 非常に意欲的なデザインだと思う。
 当時のラフとしてヒジ関節位置がズレているものが存在するが、これが時を経てファイヤーバルキリーなどにちょっとアレンジを加えて採用されていて、三つ子の魂100までだなーと。(誤用)

■ボディを前後に分割して薄さを稼ぐ。
 突然だと何を言っているか解らないと思うのだが。
 バルキリーはロボット形態の胸部を、前後に分割し、肩部分をヒンジとしてパカっと開くことで飛行機形態の機体の厚さを薄く保っている。
 バルキリー以降、飛行機変形ロボは殆どこのパターンとなっている(レギオスは違う。あれも凄いがここでは割愛)。
 また、この胸部装甲パーツをスライドして機首後方を覆うことで、ロボット時にジャマとなりやすい機首部分を短く収めている。
 コクピットカバーも、この胸部の分割とスライドによって、なんとか玩具でも再現可能になっている。
 なんというか、この変形なしで、飛行機をうまくロボにするのは、かなり難しい。
 バルキリーの変形の優れた点、機首を余剰にしない、頭部を余剰にしない、は、このボディの前後分割から生まれていると思う。

■腕を両足の間に収める。
 これなしで飛行機変形ロボをデザインするのは難しいだろう。(レギオスはまた違う)
 これはメカデザイナーの河森正治が、実機のF-14を観たら、エンジンとエンジンの間が広くて、「これなら腕を治めることが出来るわ」と思った、という歴史的逸話が残っているが。

■まとめ
 バルキリーは、とにかく、「リアルな実機とロボを余剰パーツなく、無茶な分割なく変形させる」というお題に対して100点満点の解答だ。その上でいろいろと加点ポイントを取っているという、みごとなシロモノである。
 それが、アイドルドラマ+宇宙人戦争、という物語に見事に合致している。わけの解らない完成度だ。
 バルキリーの前にバルキリーなく、バルキリーの後には、メサイアバルキリーとYF-19とファイヤーバルキリーだ。それでもバルキリーの完成度は揺らがない。
 ほんとうはこのまま、アーマードバルキリー、スーパーパック、あたりの話も書こうと思ったが、まぁそれは割愛しても良いだろう。

そんなわけで、デカルチャー(挨拶)


ほか、メカで長文かいてるのとか。
ロボットの指デザインに関して
『ガンダムmk2の肩問題』に関して
ダグラム メカ語り
イシュタルMK2 メカ語り
ボトムズ語り

このメカ語りシリーズは、ただ書きたいから書いていて、とくに評判もアクセスも無いという、いかにもブログらしいシリーズである。
書きたいものを書けないぐらいなら文章なんか書かない。

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