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映画:ベイマックス 感想

 ちょっと前にベイマックスを観たので感想を書く。
 自分が普段覗いているtwitterのTLやtumblrに、誰が初出かは解らないのだけど、やたら主語がでかいホメ言葉(日本のアニメはもう終わり。みたいなの)が並んでおり、そういうので期待膨らませてみちゃうと、余計な先入観になるなぁと思いつつ観た。
 以下、ネタバレありなので、未視聴の方は回れ右してほしい。
 気に入る、気に入らないのレベルは人によって違うだろうけど、殆どの人にオススメできる手堅い映画だと思う。ネタバレを先に読むのはもったいない。


■お話
 日本のような架空都市サンフランソウキョウに住む14歳の少年ヒロ・ハマダが主人公。
 ヒロはメカニカル、プログラマブルな才能があるが非合法のロボット・ファイトに興じていた。
 彼の兄タダシは、ヒロがもてあましている才能を自身の通う大学やロボット工学の第一人者であるロバート・キャラハン教授を紹介することで導こうとする。
 ヒロは大いに刺激を受け、小指の先ほどのマイクロボットを大量に脳波コントロールする仕組みを開発し、キャラハン教授から直々に大学への入学を許可される。
 しかし、そのマイクロボットのお披露目の後、大学は火災に見舞われ、キャラハン教授を助けに向かった兄タダシは死亡。キャラハン教授は行方不明。
 ヒロは兄を失い、心を閉ざしていたが、兄の残していたベイマックスというケアロボットともに、自身が発明したマイクロロボットを悪用している仮面の男と対峙する。

■細かい話
 原題は『Big Hero 6』で原作はマーベルの日本人ヒーローチームの話。(映画版では各種人種の混成チーム)
 ゴリゴリのヒーローモノを、ケアロボットというクッションを挟んで、市場に合わせてきた感じだろうか。
 原作は未読だが、そちらではベイマックスはドラゴン顔の人工生命体だそうだ。

■非常に良く練られたシナリオと絵ヅラ
 日本でのロケハンをキッチリやったそうで、和洋折衷の混交都市は非常に良く出来ている。チャイニーズっぽさが混じるのは仕方がない。
 ベイマックスのデザインとその挙動もとても良く出来ている。
 舞台とキャラクターがこのレベルで完成していてれば、あとはお話が良く出来ていれば文句なしなのだが、お話も良く出来ている。バッチリだ。

■日本風のクリエイティブ
 日本のアニメ的なあれこれが、ディズニー的にハリウッド的に消化されているが、別に日本がどーかとかそういうのはもうエッセンスでしかなくて。
 いつものハリウッドのアレですよ。
 パシフィックリムが怪獣の造型を、キグルミ怪獣に合わせてきたというのは、物凄い内角をエグるような変化球だったけど。ベイマックスはめっちゃ良く出来てるけど、世界標準的なアレ。
 シュガーラッシュやレゴ・ザ・ムービーのアレ。

■セクシャル
 ゆるくハズしているが、ヒーローチームの2人の女性キャラは典型的なバービー人形的スタイルと、肉感のある絞まったボディの人であり、あれを「セクシャルな要素を排除している」というのは、え、どこ見てるの?という印象はある。
 それに反応するかどうかは個人の資質によるだろうが、作り手側はわかった上でセクシャルな表現を残している。
 あと、ベイマックスのコンセプトデザインは日本人デザイナーのコヤマシゲト氏が関わっている。日本人関わっててよかったなーと思った。

■物語のパターン化
 ハリウッド映画は大抵の場合「葛藤とその解決」が必ず物語に入っていて。
 トイストーリーだとウッディがヤキモチからバズに対して不味い行動をとってしまい、それを反省し解決する。
 アナ雪だとヘンな男に引っかかって解決するとか。
 日本のアニメでも例えば、ラピュタだとパズーはシータを奪われた後一度金貨を受け取って帰ってしまう。
 とりあえず、主人公が間違った選択をする、しそう、みたいな部分で視聴者の気持ちをハラハラさせるという仕組み。こういうのは物語としてはウケが良いので、練られたシナリオであるほど必ず入ってくる
 
 ベイマックスでも、ヒロが怒りに身を任せてベイマックスが暴走するシーンがあり、正直あまりにもあっさり収まっちゃうんだけど、アメリカ産の映画だと、こういう「一度間違った道に行く」が必ず発生するんで、見ていてああ、まだ話は中盤だ。という気持ちになってしまう。
 勿論、パターン化しすぎないように、色々気を使ってあるし、ベイマックスはその辺を至極あっさり済ませていて、はいはい必要な事だからやりましたがこれを引っ張る気は無いですよ、というつくりにも見える。
 実際、そういう場所以外の作りこみが細かくなかなかにヒキコミが上手い。
 でも、外せないピースのあるパズルはどうしても似た味になっちゃうなという感じはある。
 この辺、宮崎駿の後半の映画なんか(ポニョとか風立ちぬとか)もう、きっちりとしたシナリオをぐるぐる回すのを放棄して、ちゃんとシナリオと抑揚は作ったが、その断片だけで映画を回すぜ。見る奴が見れば解るだろ。っていうつくりになっていて、気が抜けない。どっちがいいかというと趣味の問題でしかないが。

 アナ雪が、何故爆発的にヒットしたかは色々な見方があると思うのだが、あれは物語り構造において「男によって立場を得る姫」でなく「男など不要な女」としての決着をつけていて、これは、ディズニーのこれまでの映画からすると、型破りであり、大どんでん返しだ。いろいろなお約束を入れつつもお約束破りを入れたことで、深く突き刺さるものを獲得したのではないかと思っている。

 まぁなんというか、映画ばっか見てると、ああまたこのパターンか、というのは感じてしまうから、パターンやぶりは嬉しいよねみたいな。
 ラーメンばっか食ってるラーメンマニアに批評が、一般人の役に立つかというと難しい話なので。あまり重要視してはいかんと思うが、そういう話だろう。

 あちこちに気を使って作られたシナリオは特に気を使った結果が似か寄ることもあって、ベイマックスはわりと自分が多く見てきた映画とダブる箇所があった。

■まとめ
 掛け値なしに、殆どの人にオススメできる映画だと思う。
 自分もよくあるパターンとか感じながら、とても楽しめた。パターンなんざ似ていても面白く仕上げる手練手管に足りているのだろう。小技の絡め方もとても上手い。
 めずらしく家族で見に行ったのだが、姉(未就学児童で大人しいがトイレが近い)と、弟(未就学児童でアホ)が大人しく見れていたので、間違いなく面白かったのだと思う。
 

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