島国大和のド畜生
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バクマンが鼻について困る話
 ネタバレを書くのでコミックス派は避けてください。


 バクマンはジャンプ編集部を舞台に架空の漫画家が連載や人気を争う漫画。
 漫画家以外にも編集者に対しての描写も多い。
 その中で、漫画家が担当編集者を変えて欲しいと申し出、編集長がそれをイカンと言い切るシーンが有った。

作品のジャンルや方向性で
担当と意見が食い違い
どうしても自分の方が正しい
優先させたいというのなら
ねじ伏せる少年漫画を
描けばいい


 編集長の言葉なわけだが。この非対称性はどうだろう。
 こりゃ、契約して仕事する相手としては、かなり困る。

 編集者は漫画家をちゃんと説得する必要は無いらしい。
 そもそも「面白い、面白くない」は個人の感覚の問題なのだ。
 編集者の意見が絶対であるならば「編集者の言うように書いたがウケ無かった」という事態があってはならんだろう。
 もし「言うように書いたら絶対ウケる」てのなら何を言ってもいいけどさ。

 もちろん編集者もリスクを負っているのは解る。


 自分の仕事のゲームの話をすると。
 ゲームの制作現場でも、後から後から追加仕様がクライアントから舞い込む事はよくある。
 バグ報告書に、要望が書いてあることも茶飯事。

 契約の時点で、全てカッチリ決めてから動くという事は滅多にないので、そこで延々と押し引きする事になる。
 クライアントの要望100%のものを作るのは、基本的には無理だ。もしそういうものが作りたいのなら、人月計算で対価を支払うべきだ。
 「**にしてくれ。」「了解です。3か月伸ばして、5人追加します。予算を下さい。」「OK。」
 これならまったく問題ない。
 「**にしてくれ。予算追加は無い。このままでは駄目だ。俺が駄目と感じるからだ。」
 これは、無茶だろ。最初に必要条件が示されていたならともかく。
 慈善事業ではないので、利益の無い仕事を懸命にやるのは、やっちゃいけないことだ。

 人を自分の思い通りに動かしたいなら、対価を払うのは当たり前。

 もうひとつ、ゲームの話。
 企画コンペ、デザインコンペで、報酬が発生しない事は多々ある。

「こういう絵を何枚かくれ。こういう企画をいくつかあげてくれ。」
「整形してこういう資料をつけてくれ。実機サンプルもくれ。」
「今回は、残念ながら縁がありませんでした。」
 まー仕方ないんだけど、なかなかね。


 さて、漫画の場合はどうだろう。

「これじゃ駄目だ、こういう話にしよう。こうしてくれ。」
 ここに対価はどれほど支払われるのか?連載にこぎつけることが出来なかったらどうするのか。
 漫画家のリスクはデカイ。路頭に迷う可能性がある。
 そもそも収入が印税に依存する時点で、その内容の決定権を譲った上で人気が出無ければ、2度死ぬハメになる。
 描きたくないものを自分名義で描いた揚句、金にもならない。というのは最低だろう。
 もう一度引用。

作品のジャンルや方向性で
担当と意見が食い違い、どうしても自分の方が正しい、優先させたいというのなら、ねじ伏せる少年漫画を描けばいい。


 やはり、まるで対等でない立場から言うセリフじゃあないだろう。

他紙に行ってもらって構わない
契約は私の責任で切る


 こっちは評価できる。契約ってのはそういうもんだ。
 是非売れっ子作家にも同じセリフを言って頂きたい。
 おっぱいマウスパッドけしからん。他紙に行ってもらって構わないってさ。

 解決策として。
 こういうセリフは漫画家側の人間の口から出るべきじゃないか?
 だったら美談で済ませることが出来る。


 ということで。
 バクマンは、1巻は買ったし、それ以後もジャンプ紙上では読んでいる。
 病気入院中にも根性で漫画を書くとか、やたらオタっぽい絵を非難した後に、toLOVEるを持ちあげたりとか。編集者側の意図を強く感じてしまい、どうにも乗りきれずに居る。
 今回の編集長のセリフも、こんな反発食いそうなものを、編集者がチェックした上でOKで通ってるのだから、ちょっと感度が鈍くないかと思う。褒め殺しか。

 漫画なんだから、べつに楽しく読めればそれで良いハズなので、変な読み方してる俺が悪いんだけどね。

 相変わらず見事な絵と、どっちに行くかわからないお話、キャラクターを大量に配置して化学反応で進めていくような、長期連載に向いた構成と、漫画としては非常に巧みに出来てると思う。
 物語としては、作中の漫画を読者に見せないまま、何故人気が出た、出なかったが、作中人物でもわからないまま、ズルズルと進んでいくのはちょっとツライと思うが。

 そもそも読者に向かって描かれているだけでなく、漫画家志望者向けのメッセージも混じっているのが、俺が苦手な理由だろうな。

 青春少年マガジンや、漫画道とちがって現代の話だから余計に。


 今後の漫画雑誌って。
 面倒くさそうな漫画家として「ブラックジャックによろしく」の人とか「金色のガッシュ」の人とかもいるし、同人誌の方が稼げる(印税率)人もいるし、電子ブックでは印税率70%って話も出てきた。
 さてどうすんだろうね。という立ち位置に居ると思う。






 ちなみに自分の話。
 オイラ、ライター、絵描きとしてはヘッポコ極まれりなので、編集者の言うように器用な仕事が出来ない。
 仕方が無いので、編集サイドで、出来そうな仕事を持ってきて下さるという微妙かつ、申し訳無いポジション。
 なので、意見衝突とかまるでなし。
 それも合って、意見衝突した人の気持ちがイマイチリアルには解らない。俺リスク無いしなー。
 ゲーム屋の方ならかなり解るけど。リスクデカイから。

 なので、リスクを負う奴の肩をもちたい。

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2010/01/26(火) 19:55:12 | コンビニ弁当
・ 今週のバクマン。の編集長の台詞,「漫画がつまらないのを編集のせいにするな」について。作 品のジャンルや方向性で担当と意見が食い違いどうしても自分の方が正しい優先させたいとい うのならねじ伏せる少年漫画を描けばいいこれに対 しては批判もあるようです。バ
2010/01/27(水) 00:20:03 | のほほんダイアリー
バクマンが鼻について困る話:島国大和のド畜生 『バクマン。』はもう少年漫画でやれない話を、少年漫画でやろうとしたけれど、やっぱり無理でした。ということで期待は凄かったけど、偉大な失敗作という評価で落ち着いてしまったように思う。今後は蒼樹紅先生に萌えたい人
2010/01/27(水) 08:58:52 | 昨日の風はどんなのだっけ?
JUGEMテーマ:漫画/アニメ バクマン。 (2) (ジャンプ・コミックス)大場 つぐみ /小畑 健集英社 刊発売日 2009-03-04 さらに詳しい情報はコチラ★
2010/02/12(金) 19:52:45 | アマゾン探検隊
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