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映画:紅い眼鏡 感想
 劇場版のパトレイバーの感想を書きかけていて。気がついたら紛失していて。
 悔しいので、押井守実写映画の感想を。

■大枠
 赤い眼鏡はアニメ監督である押井守の初実写監督映画となる。ほぼ白黒作品であり、本来は声優の千葉繁のプロモーション映像の予定ではじまり、話が転がって映画化となったという。
 監督本人が対談などで、ゴミを集めて作ったゴミみたいな映画と述べているが、実際2500万円と映画作品としては相当な低予算で作成されている。

 第二次世界大戦で決定的な敗戦を迎えた日本がドイツ軍に占領された架空の昭和で、首都圏の凶悪犯罪に対抗する為に組織された首都警の物語を書くケルベロスサーガの1作目にあたる。
 プロテクトギアと呼ばれる、動甲冑を作品のキービジュアルとして宣伝し、アクション映画のフリをして実際のアクションは冒頭のみで後は全て後日談で地味な会話劇となっているため、当時イロイロと語り草が多かった。

■あらすじ
 現在の日本とは異なる歴史をたどった架空の日本。
 「地獄の番犬」と呼ばれた対凶悪犯罪組織「首都警」が、時代の流れによって組織解体されるにあたり「紅一(千葉繁)」はその装備(装甲服とMG34機関銃)「プロテクトギア」を持ち、仲間の強力を得て国外逃亡を行う。
 仲間の協力と犠牲によって、たった一人だけ国外逃亡をなし得た紅一が、数年後、大きなトランクを携え日本に帰国する。

 かつての仲間との接触を試み街を彷徨い、裏切りにあい、彼を追う公安と対峙することになる。

 夢とウツツの迷宮の中で、孤独な逃亡生活を続けた紅一、紅一の帰りを待ちながら、待ちきれなかったかつての仲間。

 繰り返されるメタレベルの展開は、どこからが夢で、どこからが現実で、どこからが夢の中の夢なのか、整合性を破壊したまま、カッコ”(”、”)”の数の合わない数式のように終了する。


■感想
 白黒映像によるリリカルで特徴的な描写と、声優の多用による滑舌良すぎる語り口。
 個人的にはかなり好きなんだけども人に勧めると大抵「騙された」という反応が返ってくる映画。

 時代の移り変わりを「犬」→「猫」として語っていて、犬の時代を代表する紅一、猫を代表する公安と時代、それに懐柔されていったかつての仲間で構成される世界は、時代に居心地の悪さを感じる気分を代弁して見える。
 何かを語っているようで何も語っていない毎度の押井節はぶんぶん回っていて、攻殻機動隊とかとあわせてみると、攻殻がギャグに見えてくる。
 メタレベルで夢の中の夢を語る展開と、世界が色彩を取り戻す終盤は、アヴァロンにも見られる構成で、好みの話をすれば紅い眼鏡のほうが好きだった。ビューティフルドリーマーもこういう構成だっけ?
 改めて考えると、多層化した世界、構造破綻した少女、とアヴァロンのモチーフまんまだったわね。

 日本の実写映画にはめずらしく、絵コンテが作成されてから撮影されているので、演出が非常に絵単位で分かりやすいのだけど、あからさま過ぎて妙な味わいになっている。
 続編にあたる、ケルベロス地獄の番犬とかで顕著なんだけど、押井は絵コンテか、レイアウト切った時点で結構満足しちゃっていて出来上がった映像にあんまり執着が無いんじゃないかと思ってしまう。
 アニメの場合は、人の手で全てがコントロールされている映像なので、作り手の意図が映像としてそのまま出てしまうのは普通なので違和感を覚えないけど、実写であからさま過ぎるとちょっとツライ。特に背景の長まわしカットなどは手描きならば耐えるが実写では耐えない、というのが個人的には多かった。情報ノイズが多いので見るほうに見立てを必要とする部分も多い気が。
「映像がツクリモノなのは当たり前だから脳内補完して見ろ。」
 という印象。アニメと特撮はそれで仕方がないというコンセンサスが有る気がするけど、普通の実写はそれでいいのか?とちと思う。

 物語としては、多重構想に思わせぶりで、解釈を観客に投げる構造のため、心がヤバイ時にみると本当にヤバイ。ベタはまりする。勝手に深読みしてしまう。ジーンと来たりする。
 物語の整合性が壊れたところに救いがあり、整合してしまうと一瞬の走馬灯でしかない物語。しかし整合を崩す「紅い少女」のモチーフがそこかしこにちりばめられ、夢と走馬灯から現実への橋渡しをしている。

 しかし心身ともに健全な時に見たら、116分間、黙ってみてるの苦痛じゃないかと思う。

■その他
 音楽がやたらカッコいいので、是非サントラを再販していただきたい。
 格闘技イベントにてイゴール・ボブチャンチンの入場曲に使われていたので、噴いた。

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