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機動戦士ガンダム(TV版)感想総括
 バンダイチャンネルのおかげで全話を纏めてみる事が出来たので、纏め感想を書いてみる。
 機動戦士ガンダムはどうにも複雑だなと思う。
 勝手な視点から勝手に分析してみたらエライ長文になっちゃったのでヒマな時にでもどうぞ。
 各話感想はこちら。各話感想にも総括ぶら下げたら凄いテキスト量になった。

■プロジェクトとしてのガンダム

A:なんか凄いことやって一旗上げたい。
B:宇宙戦艦ヤマトのハイティーン向けの成功を見て、同じくハイティーン向けを狙った。
C:ザンボット、ダイターンの玩具売り上げを継ぐ作品が欲しかった。(ローティーン向け)

 関係者が皆揃ってバラバラな方向を見てる。
 普通のプロジェクトだったら、十中八九迷走する。
 しかし、結果的に大ヒットを収める。運が良かったのか。監督が凄かったのか、それ以外の誰かが凄かったのか。
 複数人数の才能が上手く噛み合ったんじゃないかなと勝手に想像するが、そう世の中上手く行く事ばかりじゃないだろうから、誰か縁の下の力持ちが居たのかな。
 我が身を振り返って「状況の中、やるべき努力を全てやってるか」という非常に心に痛いものを感じる。頑張らなきゃ。


■フォーマットとしてのガンダム

 ガンダムはマジンガーZの血を引く、ロボットアニメのフォーマットの「そういうもんだから」に全て「理屈を与え」ている。
 戦う土壌は、独立戦争だから。
 ロボットが戦うのは、軍用兵器だから。
 肉弾戦になるのは、ミノフスキー粒子の所為でレーダーが効かず遠距離戦闘が不可能だから。
 周りが皆若いのは、難民を乗せての逃避行中に、軍人が死んでいったから。
 主人公が子供なのに活躍するのはニュータイプだから。
 ロボットが合体変形するのは、脱出装置の延長。安くシステム運用するためのものだから。
 正直「よくもまぁ」と思う徹底加減。そしてそれらは裏設定でなく劇中で巧妙に語られていく。
「劇中で巧妙に語る」ことに関し、監督の富野は本当に優れていて、多層的な演出のなかでサラリとその印象を強くするような表現が多く目に付く。
 結果的に子供より可処分所得の高いハイティーンを顧客として成功。プラモを筆頭に関連商品は多く売れたし、映画化した後もブームは終焉せず現在に至る。
 この「こういった手法で関連商品を売る」というフォーマットはガンダムで確立した。
 面白いだけでは商売にならない。ちゃんと関連商品が売れる道筋がついた結果ここまでの歴史的作品になったと考える。
 半分ぐらいはマグレに見えるけど、マーチャンダイジングで食っていく、というTVアニメの発明の後、その年齢層を上げるというのは必然で、ターニングポイント付近の作品かと。


■物語としてのガンダム

 戦争に巻き込まれた少年主人公が、仲間と修羅を潜り抜ける過程で、戦士としても人間的にも成長する。その成長は、人類の未来をも感じさせる。(人類の未来への飛躍っぷりはアンマリだが)
 大筋はこれだけ。
 プラスαとして、敵側の組織内の政争、サブキャラクターの宿命等で話の密度を上げている。

 ロボットアニメのフォーマットを作ったマジンガーZに限らず、ウルトラマン、仮面ライダーなど、当時の児童向け番組は、敵が出る->倒すをほぼ1話完結で進めていくという構造だった。
 ビデオもなかった時代なので、大河的なストーリーは難しかったし、興味の移ろいが早い児童は1話で完結しない話にあからさまな不満を持つ。(自分もそうだった)

 紙芝居のように毎回設定のあらましを入れ、戦いが有り、時代劇の定番のように、見せ場としての殺陣が有り、大団円が有って、一話完結という、若年層向けのフォーマットは大変優れていて、ちゃんと沿っていれば、それだけで何とか視聴に耐えるものになりやすい。

 ガンダムはそのフォーマットに従ったまま、バックグラウンドの物語を濃くしている。
 ボルテスVやダイモスなども、バックグラウンドの物語が濃かったが、ガンダムは、既存フォーマットを嫌うかのようにお約束部分を形骸化させドラマに重点を置いていく。
 正直ギリギリのバランスだと思う。後続のアニメでは、お約束を形骸化させるというお約束になってしまい、お約束を破壊していく快感はない。


■コマーシャルフィルムとしてのガンダム

 全話を見直して、改めて思ったのは「Gアーマー大活躍だな」と。毎回何らかの見せ場が用意される。それも、バンクを使いながらも意味合いの違う活躍をしている。
 玩具を売るために、合体変形のバンクシーンを毎話見せるというのは、当時のお約束で、それと真っ向から対決する為に、そのお約束に無理やり意味を持たせてある。

 初期、Gアーマー登場前は、偵察任務等でコアファイターで出撃し帰還しそのまま換装してガンダムで再出撃や、空中でガンダムに換装する部分を見せ場にしている。
 ドラマ的に余分なので、空中換装の訓練をしていた、それを思い出していたなど、苦肉の策で冒頭のナレーションに挿入してあったりする。
 しかし玩具がよほど売れなかったか、テコ入れとしてGアーマーが投入され、可能な限り本編中で運用されるようになる。
 長距離運用にはGアーマーに合体。ビーム砲はGブルの方が強い。速度はガンダムスカイが速い。
 そんな理由をつけてGアーマーで出撃、小回りの効くガンダムに分離、アムロの才能で大活躍する。といったパターンが多用される。

 週に1度見る分にはこれでいいが、1日1話ペースで見た今回、非常にツラかった。やはり戦場で合体変形する意味は難しく、言い訳に終始している感じがある。
 が、その苦しい言い訳が、Gアーマーの存在感を増した。

 旧来の変形合体ロボが、お約束だからとりあえず変形合体していた感(出撃したら即変形合体する。丸ごとバンク等)が強いが、そんなお約束に真っ向から取り組んだのは、結果として大きい成果を上げたのではないか。
 今まで残るガンダムのトイシーンでの絶対的な強さは、この必然性の為の演出によって、作られた部分が大きいと考える。
 その後この辺をちゃんとやってる作品がどれだけあるかというとかなり寂しいが。
 だからこそ色あせぬのかも知れない。


■マンネリを回避するガンダム。

 毎回敵が出てきて倒して終わり。当時のロボアニメの基本パターンで、ガンダムもこれを踏襲している。
 しかし、マンネリを回避する為に相当な工夫が凝らされていると思う。
 特に毎回の戦闘の目新しさ、その決着をどうつけるか(どう決着を先送りするか)は良くぞこれ程と感心する。

 まず、戦場を上手く変化させている。コロニー内、宇宙、大気圏降下中、地上、夜間、都市部、砂漠、海上、ジャングル、洞窟内、また宇宙、といった具合。場所によって戦いも変化している。物語冒頭と後半が同じ宇宙だが、これも比べると格段にホワイトベースクルーが戦い慣れしていて、アムロの強さも極まっており、まさに比較用といった塩梅。

 決着の先送りの方法も上手い。シャアとアムロの決着が何度も水入りになり、最終話まで持ち越されたにもかかわらず、マンネリ感を上手くごまかしている。
 弾切れ、作戦変更、深追いはするな、大気圏突入等、手を変え品を変えだが、実際の対決回数を減らしているのが手堅い。
 その話で死で困るキャラクターは出撃させず、戦力は壊滅させて、カタルシスを発生させたり、ガルマ、ランバラル、黒い三連星、マクベ、と次々に主な敵役を交代させ、それぞれ打ち破って行って、話にケリをつけていくなどだ。
 極めつけにシャアは一時期左遷になっていたので、敵として現れていない。

 ヘタな後続アニメでは、キャラクター人気から出ずっぱりなのに殺せないなどで、戦闘が形骸化し、緊張感を保てず、毎回同じことをやっているようなストレスが溜まる。

 もう本当に上手い。マンネリを如何に避けるか。如何に緊張感を保つか。
 教科書だなと思う。


■メカモノとしてのガンダム。
 毎回ジオン軍が新メカを送り込むのは、玩具屋のテコ入れによるものだそうだが。
ザクMS一般機。マシンガン。
シャアザクMS ザクより3倍早い。
旧ザクMSザクより弱上に武器なし。
グフMSザクより断然強い。鞭とサーベル、シールド付。
アッザム MA鳥カゴ電子レンジ攻撃。
グフ&ドダイMSの上に乗って飛ぶロボという凄い絵ヅラ。後のGアーマーへの布石でもある。
ドムMS 重量級ながらホバーで高速移動。バズーカと刀。
ゴッグMS水陸両用。重装甲。バルカンやハンマーをものともせず。カギ爪
ズゴックMSゴッグの力+スピード。頭部のミサイル6門。カギ爪とその中心にビーム砲。
グラブロ MAズゴックを2体ぶら下げる巨大さ。水中での超パワー。
シャアズゴックMSズゴックが赤く塗ってある。シャア属性で強い。
ゾックMSメガ粒子砲を9門装備。見かけだおし。
アッガイMS手が伸びる。別に強くない。
ビグロMAグラブロのデカさ。宇宙戦で超高速。
ザクレロMAインパクト最大のコワモテ。
ブラウブロMA四方八方からのオールレンジ攻撃。
ビグザムMA巨大。MSを溶かすほどのメガ粒子砲とビームバリア。
ギャンMS大量の機雷を撒くなど、卑怯な戦法が得意。
シャアゲルググMSゲルググのシャア属性。ジオンによる初ビームライフル機体。
ゲルググMS ジオン軍のガンダムを意識した機体。
エルメスMAサイコミュ(無線誘導のオールレンジ攻撃端末)装備。
ジオングMAサイコミュを導入したMS型。シャア属性。頭部だけでも戦える。

 ざっと記憶で列挙したが、見事なほどに、性能被り、キャラ被りが無い。
 新型が登場した時に、その新型が旧型に比べどこが強いかが一目瞭然。
 正直、後継の作品は、新型が旧型より強いのは強いとして、ドコがどう強いのか?と言う部分の説明が無いものが多い。そこをお約束で処理してしまっては、メカ戦の面白さなど消えてしまう。
 量産型というアイデアで、ロボットバトルを旧来から飛躍的に進めたガンダムだけど、それでも一戦一戦がマンネリにならないように、大変考えられているのが解る。
 ZやZZ等が続編であるが故に、最初から全メカがビームライフイル、ビームサーベルを使う状態で始まってしまった事は、メカの差別化において不幸だなと思った。

 しかもこれ、MAは殆ど毎回1話で破壊されている。MSも1話しか登場しない機体がいくつかある。この辺はマジンガーZからの伝統だけど、だからこそ解りやすい。
 使い捨ての敵は、特徴的に強く、それゆえに弱点がありアムロが機転を利かせて倒せる。
 アムロの強さを印象付けるし、ヤラレメカなりの存在感を放つ。そしてその戦いが殺陣として成立する。

 特に意識せずに量産形を導入した後続のアニメでは、この辺が大変甘く、メカに特徴が足りないから、メカ戦の殺陣も面白くない。
 玩具的なデザインが優先され、演出に差が出ないメカが多すぎる。
 相手が遠距離用だから懐に飛び込む必要があるし、水中用だからハンデがある。重装甲だから弱点を探す。それが無いなら戦闘なんざ消化試合になってしまう。

 一時期大量に発生した「画面を横切りながら銃を射っているだけ、誘導ミサイルを発射してるだけのアニメ」は殺陣の概念が希薄で個人的にどうしても評価が低めになってしまっている。

 1stは一時代を築いた作品だけあって、フォーマットの中身の埋め方が大変に見事。


■人間ドラマとしてのガンダム。

 当時余り気にしていなかったのだけど、改めて見ると、腹芸会話が異常に多い。
 ホワイトベースクルーもお互いが馴染むまでは、相手との距離を測りながら会話をしている。
 サビ家の上の方の連中は常に本心を語らない。ドズル、ガルマは素直に本心を語るキャラだったので真っ直ぐに戦死する。
 突然わけのわからないことを喋りだした相手に対し、さらに噛み合ってないセリフを返す、噛み合わないセリフの応酬、みたいなのがシレっと普通のドラマに混ざっている。
 他の作品とかと比べると、これは富野の芸による部分が大きい気がする。


■1stガンダムまとめ。

 その後30年もつ作品というのは、やはり熱量がとんでもない。情報量も莫大。
 その上で荒削りだから、色々考える余地が有る。

 あの時代の特殊な状況と時代性によって出来上がった、運とマグレを含む結晶だけども、それが結晶するだけの熱量を持っていた、凄いものを作ろうとした人が何人か居た。
 そうじゃなきゃこれ出来無いよなという印象。

 冨野メモ見る限り、ギレンとアムロの一騎打ちまで構想されていたわけだから、打ち切りでちょうど良かったとか、アムロとシャア共に戦死予定を、後につなげるために殺さないという判断が提案されたとか、運によるものも大きいけども、やはり、運だけではこうは行かない。

 恵まれた状況だったとは、まったく思えない製作環境の中で、これだけのものが出来るというのは、本当に凄い。
 個人的な話をすると、ここんとこ凹むことが多くあったんだけど「逆境でも、やりゃあ何か残る」という例がこんなトコに転がってるとは思わなかった。

 凄い作品だなと思う。


 一気に書いたので、あとで「てにをは」とか間違いがあったら修正します。

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